鳴子温泉峡 湯治生活

いさぜん旅館

 <基本情報>

●料金(大人1泊1名):4,500円(税別)、(2食付き):6,500~7,000円(税別)

●室数:湯治部・18室(台所付8室、共同炊事10室)

 ※旅館部和室・5室

●チェックイン・12:00~20:00、チェックアウト・11:00

●アクセス:JR駅から徒歩3分

 ※東北自動車道古川ICより国道47号線を鳴子方面に約40分。

●駐車場:約50台(無料)

●キャンセル料金:当日100%

●クレジットカード対応:無し

●旅館の特徴:鳴子御殿湯駅を降りてすぐの好立地の所にある旅館。鳴子温泉峡の中で最も駅から近い宿泊施設なので、交通機関を利用した観光メインの場合には最適な宿。旅館のすぐ横が線路なので、部屋によっては陸羽東線が走っているのを眺める事ができます。

 昔ながらの趣ある旅館ですが、入り口横には食玩のコレクションが並び、宿のあちこち至る所に阪神タイガースグッズ、そして飼っている看板猫がうろちょろしていて色々と賑やかでユニークな宿。勿論ペットも一緒に宿泊可能です。

 2つの異なる温泉を楽しめる混浴の浴場、大浴場、露天風呂付きの中浴場の3つの浴場があり、混浴の浴場は24時間入浴可能ですが、大浴場と中浴場は時間によって男湯と女湯とが入れ替わるので、1泊だけでは無く連泊して上手に入浴して個性豊かな温泉を楽しみたいです。

 <部屋>

●部屋:和室6畳・8畳

●部屋設備:テレビ、寝具付き、冷房、暖房(別途500円税別)

●自炊設備:台所・食器付きの部屋と台所無しの部屋から選択、全室小型冷蔵庫

 ※共同の台所、共有の冷蔵庫・電子レンジ・食器・調理器具有り

 ※ガス代:台所付き部屋(メーター計算)、共同キッチン(10分10円)

 ※お米1キロ500円(税別)で販売

●アメニティー:無し

●浴衣・バスタオル、タオル:バスタオル有料

●無線LAN:Wi-Fi(一部客室可)

●部屋の特徴:いさぜん旅館では部屋に台所が備え付けられていてガッツリ湯治生活を行う部屋と、部屋には台所が無く共同の炊事場を利用して簡単な湯治生活を行える部屋があります。またこれとは別に東館には、湯治部よりもやや広めの部屋で浴衣が付く普通の素泊まり用の部屋もあるので、自分の滞在スタイルに合わせて部屋を選んでみましょう。

 台所付きの部屋ですがスペースが非常に狭く、狭い通路の一方の端に洗い場(下に食器収納)、もう一方の端にコンロが1つだけ(下に小型冷蔵庫)となっているので、慣れないと調理を手際よく行うのに一苦労します。また冷蔵庫も部屋によっては小型の物しか無く、あまり買い溜めをする事も出来ません。しかし湯治生活に必要な物は一通りそろっていますし、買い物をするのにも便利な宿ではあるので上手に利用して快適な自炊生活を行っていきたいです。

 問題点としてはトイレは湯治宿では珍しいウォシュレットなのは良いのですが、男女共有で洋式便器が1つしか無いので特に女性の利用には不便なことです。もう一つ玄関に靴を置いておくことが出来ないため、部屋まで靴を持っていかなければいけないので外出の時などに不便です。

 <温泉>

【いさぜんの湯 第1浴場】

●泉質:ナトリウムー炭酸水素塩泉(純重曹泉)低張性中性温泉

●効能:きりきず・抹消循環障害・冷え性・皮膚乾燥症

●シャワー:有り

●シャンプー、ボディソープ:有り

●温泉の特徴:扉を開けると階段を降りた半地下に衝立で仕切られた2つの浴槽には、それぞれ全く異なる自家源泉。左手の四角い浴槽は東鳴子特有のうっすらアブラ臭の黒湯で、ややぬるめですがしっかりと温まるお湯です。

 「ラジウム炭酸泉」と表示されていますが、成分表を見ると炭酸泉(二酸化炭素泉)に該当する遊離二酸化炭素はそれ程含まれていません。しかし日によっては炭酸泉特有の泡立ちがあり、これが血管を拡張させて血行を促進させるあたたまり効果に繋がっています。ぬるめのお湯なのでいつまでも浸かっていたいお湯です。

 ラジウム泉に関しては温泉成分表からの判別はつきませんが、ラジウム泉=放射能泉の規定に達する程の含有量の温泉は国内でも数える程しかありませんが、ラジウム成分が少量でも含まれている温泉自体が多くは無いです。温泉成分表で気になるのは他の温泉にはほとんど含まれていないメタ亜ヒ酸の多さです。メタ亜ヒ酸は殺虫剤や殺鼠剤の原料にも用いられる毒性の高い成分ですが、古くは細胞毒性を利用して白血病の治療薬や皮膚病、皮膚癌の治療にも用いられていた時期もあります。ラドン泉も少量の放射性物質を吸引する事によって細胞を活性化させて悪い所を治します。総ヒ素も他と比べて多めで、これ等の要素が混じり合った結果がこの気持ちよさに繋がっているのでしょうが、長湯出来るからといってあまり油断して入り過ぎない方が良い温泉なのかも知れません。

 正直温泉分析書を見る限りは「ラジウム炭酸泉」という看板には偽りありですが、十分にそれに準ずる効果を感じる上にそういう枠では収まらないここでしか味わえない個性的な温泉です。

いさぜん旅館 温泉分析書
泉温 41.3 pH値(水素イオン濃度)  7.4(中性温泉)
密度 0.9987 硬水/軟水 32.51(軟水)
陽イオン ミリグラム ミリバル ミリバル% 陰イオン ミリグラム ミリバル ミリバル%
リチウムイオン <0.1 0 0 フッ素イオン <0.1 0.00 0
ナトリウムイオン 188.6 8.20 88.65 塩素イオン 10.9 0.31 3.06
カリウムイオン 7.7 0.2 2.16 水酸イオン 0 0 0
アンモニウムイオン 3.6 0.2 2.16 硫化水素イオン 0.1 0 0
マグネシウムイオン 3.6 0.3 3.24 硫酸水素イオン 0 0 0
カルシウムイオン 7.1 0.35 3.78 硫酸イオン 4.2 0.09 0.89
ストロンチウムイオン <0.1 0 0 リン酸水素イオン 13.9 0.29 2.86
アルミニウムイオン <0.1 0 0 メタ亜ヒ酸イオン 0 0 0.00
マンガンイオン 0.1 0.00 0 炭酸水素イオン 576.9 9.45 93.2
鉄(Ⅱ)イオン 0.2 0.00 0 炭酸イオン 0 0 0
鉄(Ⅲ)イオン <0.1 0 0 メタケイ酸イオン 0 0 0
銅イオン <0.1 0 0 メタホウ酸イオン 0 0 0
亜鉛イオン <0.1 0 0 チオ硫酸 <0.1 0 0
陽イオン 計 210.9 9.25 99.99 陰イオン 計 606.0 10.14 100.01
非解離成分 ミリグラム ミリモル 溶存ガス成分 ミリグラム ミリモル
メタケイ酸 185.4 遊離二酸化炭素 53.7
メタホウ酸 1.8 遊離硫化水素 <0.1
メタ亜ヒ酸 1.1
非解離成分 計 188.3 溶存ガス成分 計 53.7
その他微量成分
総ヒ素 0.76 0.005 mg/kg未満 総水銀 <0.0005 0.0002 mg/kg未満
<0.01 0.005 mg/kg未満 カドミウム <0.002 0.001 mg/kg未満
溶存物質 1005.2 mg/kg 蒸発残留物 543.7

【いさぜんの湯 第2浴場】

●泉質:ナトリウムー炭酸水素塩泉(純重曹)低張性弱アルカリ性高温泉

●効能:きりきず・抹消循環障害・冷え性・皮膚乾燥症

●シャワー:有り

●シャンプー、ボディソープ:有り

●温泉の特徴:衝立を挟んで右側にあるひょうたん型の浴槽の温泉。隣りの炭酸泉とは異なる自家源泉と大浴場&中浴場で利用されている東鳴子の共同源泉との混合湯。

 鉄鉱泉と表示されてはいますが温泉分析書を見る限りは鉄成分はほとんど含まれておらず、見た目も鉄泉特有の錆びた感じは無く、お湯自体は共同源泉に近い熱めのお湯です。鉄泉である事を期待すると肩透かしを食らってしまいますが、美肌効果・保湿効果が高く上がり湯に最適な良いお湯です。第1浴場の後に入るのが最適です。シャワーやボディソープは一応備え付けてありますが、洗髪などは大浴場や中浴場の方を利用した方が良いかも知れません。

 第1・2浴場は混浴の上に脱衣所も男女共同で女性にはハードルが高い温泉になっています。いさぜん旅館最大の売りが第1浴場のラジウム炭酸泉ですし、鉄泉は婦人病に効果のある温泉なので、出来れば女性専用タイムを設けてもらってゆっくりと楽しみたいものです。女性が快適に利用するには色々と改善の余地ありかも知れません。

いさぜん旅館 温泉分析書
泉温 53.3 pH値(水素イオン濃度)      7.5(弱アルカリ性温泉)
密度 0.9992 硬水/軟水 88.89(軟水)
陽イオン ミリグラム ミリバル ミリバル% 陰イオン ミリグラム ミリバル ミリバル%
リチウムイオン 0.3 0.04 0.23 フッ素イオン 0.1 0.00 0
ナトリウムイオン 342.6 14.90 85.88 塩素イオン 104.0 2.93 18.19
カリウムイオン 22.2 0.57 3.29 水酸イオン 0 0 0
アンモニウムイオン 1.3 0.07 0.40 硫化水素イオン <0.1 0 0
マグネシウムイオン 5.4 0.44 2.54 硫酸水素イオン 0 0 0
カルシウムイオン 26.7 1.33 7.67 硫酸イオン 121.7 2.53 15.70
ストロンチウムイオン 0.2 0.00 0 リン酸水素イオン 3.9 0.08 0.50
アルミニウムイオン <0.1 0 0 メタ亜ヒ酸イオン 0 0 0
マンガンイオン 0.2 0.00 0 炭酸水素イオン 645.0 10.57 65.61
鉄(Ⅱ)イオン 0.1 0.00 0 炭酸イオン 0 0 0
鉄(Ⅲ)イオン <0.1 0 0 メタケイ酸イオン 0 0 0
銅イオン <0.1 0 0 メタホウ酸イオン 0 0 0
亜鉛イオン <0.1 0 0 チオ硫酸 <0.1 0 0
陽イオン 計 399.0 17.35 100.01 陰イオン 計 875 16.11 100
非解離成分 ミリグラム ミリモル 溶存ガス成分 ミリグラム ミリモル
メタケイ酸 226.4 遊離二酸化炭素 47.1
メタホウ酸 14.6 遊離硫化水素 <0.1
メタ亜ヒ酸 0.3
非解離成分 計 241.3 溶存ガス成分 計 47.1
その他微量成分
総ヒ素 0.24 0.005 mg/kg未満 総水銀 <0.0005 0.0002 mg/kg未満
<0.01 0.005 mg/kg未満 カドミウム <0.002 0.001 mg/kg未満
溶存物質 1515.3 mg/kg 蒸発残留物 1109

【大豪寺の湯 第3浴場】

●泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(含食塩・芒硝・重曹泉)低張性中性高温泉

●効能:きりきず・やけど・慢性皮膚病

●シャワー:有り

●シャンプー、ボディソープ:有り

●温泉の特徴:いさぜん旅館では最も大きい大浴場。基本は男性専用で日帰り入浴の時間帯も男性が利用していますが、21時以降から朝に掛けては女性専用に代わるため宿泊した場合は女性の利用がメインになるかも知れません。

 お湯は東鳴子共同の赤湯共同源泉で、様々な源泉のブレンドとなっています。東鳴子特有のうっすらアブラ臭ですが、色は珍しい赤ワイン色となっています。熱めの時もありますが美肌効果・保湿効果が高くしっかりと温まる良いお湯です。

温泉分析書
泉温 66.4 pH値(水素イオン濃度)  7.4(中性温泉)
密度 0.9991 硬水/軟水 80.2(軟水 )
陽イオン ミリグラム ミリバル ミリバル% 陰イオン ミリグラム ミリバル ミリバル%
リチウムイオン 0.3 0.04 0.29 フッ素イオン 0.1 0.00 0
ナトリウムイオン 269.7 11.73 84.03 塩素イオン 104.8 2.96 20.23
カリウムイオン 18.7 0.48 3.44 水酸イオン 0 0 0
アンモニウムイオン 1.9 0.11 0.79 硫化水素イオン 0.7 0.02 0.14
マグネシウムイオン 4.5 0.37 2.65 硫酸水素イオン 0 0 0
カルシウムイオン 24.7 1.23 8.81 硫酸イオン 113.4 2.36 16.13
ストロンチウムイオン <0.1 0 0 リン酸水素イオン 1.1 0.02 0.14
アルミニウムイオン <0.1 0 0 メタ亜ヒ酸イオン 0 0 0
マンガンイオン 0.2 0.00 0 炭酸水素イオン 565.6 9.27 63.36
鉄(Ⅱ)イオン 0.2 0.00 0 炭酸イオン 0 0 0
鉄(Ⅲ)イオン <0.1 0 0 メタケイ酸イオン 0 0 0
銅イオン <0.1 0 0 メタホウ酸イオン 0 0 0
亜鉛イオン 0.3 0.00 0 チオ硫酸 <0.1 0 0
陽イオン 計 320.5 13.96 100.01 陰イオン 計 785.8 14.63 100.00
非解離成分 ミリグラム ミリモル 溶存ガス成分 ミリグラム ミリモル
メタケイ酸 180.8 遊離二酸化炭素 77.0
メタホウ酸 16.2 遊離硫化水素 0.3
メタ亜ヒ酸 0.2
非解離成分 計 197.2 溶存ガス成分 計 77.3
その他微量成分
総ヒ素 0.13 0.005 mg/kg未満 総水銀 <0.0005 0.0002 mg/kg未満
<0.01 0.005 mg/kg未満 カドミウム <0.002 0.001 mg/kg未満
溶存物質 1303.5 mg/kg 蒸発残留物 1052

【ノンちゃんの湯 第4浴場】

●泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(含食塩・芒硝・重曹泉)低張性中性高温泉

●効能:きりきず・やけど・慢性皮膚病

●シャワー:有り

●シャンプー、ボディソープ:有り

●温泉の特徴:一番奥にある中浴場。基本は女性専用ですが21時以降から朝までは男性専用になるため、もしかしたら宿泊した場合は男性の利用がメインになるかも知れません。身体を洗う時などはここが一番利用しやすいでので、うまく時間を合わせたい所です。

 お湯は大浴場と同じ東鳴子共同源泉でやはり熱めのお湯です。小ぶりな露天風呂もあり、四方を壁に囲まれているので景観は楽しめませんが、熱めのお湯なのでより気持ちの良い入浴が出来ます。

【赤月の湯 貸切風呂】

●泉質:ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(含食塩・芒硝・重曹泉)

●効能:きりきず・やけど・慢性皮膚病

●温泉の特徴:東館宿泊の素泊まり客は常時利用可能。湯治部宿泊客はフロントで要確認。現在はほとんど利用されていない様です。写真を見る限りは大浴場、中浴場の湯と同じ共同源泉だと思われます。

 <いさぜん旅館の連絡先>

●住所:〒989-6811 宮城県大崎市鳴子温泉赤湯11

●TEL:0229-83-3448 / FAX:0229-83-2990

●MAIL:https://ws.formzu.net/dist/S40702860/

●URL:http://www.isazen.biz/