鳴子温泉峡 湯治生活

【湯治生活のいろは】

<湯治の歴史>

 【湯治】温泉に浴して病気を治療すること。

 広辞苑に記載されている『湯治』の説明です。日本における湯治文化は古くは鎌倉~戦国時代から行われ、権力者や戦傷者の保養・療養などに利用されていました。江戸時代に入ってからは交通設備の発展などに伴い、庶民の間でも全国的に普及していくことになります。


 農村で収穫が終わった後、漁師の漁の合間などに湯治を行い、身体を休めて、次の仕事の時期に備えるなどの生活スタイルが定着していく一方で、江戸の庶民も温泉地までの移動も含めて1ヶ月ほどの湯治を行っていました。当時は幕府や藩から通行手形を出してもらわないと気軽に旅行をすることが出来ない時代でしたが、神社仏閣への参拝や病気療養のための湯治旅に関しては通行手形を出してもらいやすかったようです。それだけ江戸時代においては、湯治というものが定着していました。


 しかし昭和の時代に鉄道網の発展に伴い気軽に温泉地に行くことが出来るようになり、温泉は療養目的の湯治から団体客の慰安旅行の場として利用されるようになってしまい、それに伴い温泉施設は大型化、観光地化していき、昔ながらの湯治宿は廃れてしまいました。


  今では『湯治』という言葉も一般的ではなくなり、最近の若い子は『湯治』という言葉を知らないどころの話ではなく、最早シニア世代ですらどこまで『湯治』という言葉が浸透しているのだろうか?というくらいに過去のものとなりました。


 しかしバブル経済の崩壊などで歓楽地としての温泉は衰退していき、近年では社員旅行の減少に伴い、ますますこうした昭和スタイルの温泉地の需要は減ってきています。


 その一方で消費者の本物志向から本物の温泉を求める流れが出来、情報の発達によってそうした温泉を探すのも昔に比べて簡単になりました。また旅行客も少人数によるものが主流となり、気楽な一人旅を楽しむ旅行者も増えてきました。そうした流れから昔ながらの静かな湯治場も注目されるようになり、近年では若い世代の間でプチ湯治ブームが起きています。


 冒頭で『湯治』の意味は病気を治療することと記しました。確かに温泉で身体の悪い所が治った、傷跡がきれいになったという話を聞きますし、秋田県の玉川温泉ではガンが治ったということで有名にもなりました。しかしそこまでいかなくとも、温泉に浸かることによって疲れを取る、ストレス解消することによって心身共に癒されたり、身体の免疫力、自然治癒力を高めて病気にならない身体を作る予防医学こそが湯治本来の効果だと思われます。


 これからの湯治文化ですが、高齢者の増加による温泉需要はより一層増していくと思われますが、それだけでなく日々、仕事や人間関係で多くのストレスを抱えている若者世代にこそ、都会の喧騒から離れて自然に囲まれて過ごしながら本物の温泉に入ることによって、心身共に健康になり明日の生活の活力とするための湯治生活を当サイトではお勧めします。

<湯治生活を行う期間>

 近年は2~3泊のプチ湯治を行う若者が増えているそうですが、それではちゃんとした湯治はどれくらいの期間を行えば良いのか気になる所です。


 ちなみに1~2泊の入浴でも温泉の効果は十分に出ます。いつもと違う静かな環境に来たことによる転地療養効果に、温泉に入って癒されたことによるストレス軽減、疲労回復といった効果は短い期間でも期待出来ますし、良い温泉に入れば免疫力をコントロールする白血球の数や働きを適正にすることも出来ます。しかもその効果は一週間程度、持続します。この程度のプチ湯治でもこれだけの効果を得ることが出来るのですから、本格的な湯治を行った場合の効果は計り知れません。


 それではどれくらいの期間湯治を行うのが良いのかですが、昔から『湯治は、七日一回り、三回りを要す』と言われ、三週間がベストと言われ実践されてきました。


 人間の身体は一週間サイクルになっていて、湯治を始めてからほぼ一週間で身体に回復効果が出てきます。そのため湯治の効果を得たい場合、最低でも一週間は欲しい所です。湯治期間は二週間がベストという意見もありますが、生体リズムから見ますと、血圧や心臓、交感神経系、ホルモンなどは、高い数値が低くなるのに大体三週間を要します。更に湯治生活が三週間を超えてくると身体が温泉に馴れて効果が出にくくなってしまうため、三週間の湯治生活がベストとなっております。


 出来れば三週間の湯治生活を行いたい所ですが、そこまで長い期間は無理だったとしても、可能であれば一週間なり二週間なり一週間単位での湯治生活を推奨します。


 確かに三週間ものまとまった休みというのはおいそれと取れるものではありません。しかしコロナ禍によって、図らずもテレワークが推奨される世の中が訪れました。コロナ禍が落ち着いたら元に戻ってしまうのかもしれませんが、現実問題としてテレワークで十分な職種というのは多々あります。


 もしも今後テレワークが定着するようになった場合、特に家に居る必要はないのですから、湯治宿に滞在して身体を休めながらテレワークという働き方が可能だと思います。テレワークの出来ない業種だとしても近年の働き方改革に伴い、気軽にまとまった休みが取り易い環境にさえすれば十分だと思います。いずれにせよ来るべき時代のため、経営者には意識改革をしてもらいたいものです。従業員が心身ともに健康状態を維持し続けることが、長い目で見れば最適な職場環境になる。当サイトでは『テレワークをしながら湯治生活』を推奨していきたいと思います。

<湯治をするのに良い時期>

 さて湯治はいつ行うのが良いのかと思われるでしょうが、湯治には「寒湯治」に始まり、「春湯治」「夏湯治」「冬湯治」と四季それぞれに行われるので、特にどの季節が良いということは無いです。ただ夏の熱い時は温泉に入りたくないという人もいるでしょうし、逆に汗をかくので温泉でさっぱりしたいという人もいると思います。冬に温泉で温まるのは気持ちが良いと思う反面、雪が降った場合は湯めぐりや買い出しが大変だったりもします。ですのでどの時期に行っても大丈夫、行きたい時、行けるタイミングの時で大丈夫です。


 ただこれだと答えになっていないので、湯治の目的が予防医学であることから考えてみますと、1年間の中で自分の体調が芳しくない時期というのを把握していれば、その少し前のシーズンに湯治を行うというのはいかがでしょうか。


 鳴子温泉での湯治生活というのを考えた場合、例えば夏は暑いとはいっても東北地方ですので、さすがに都市部に比べれば低めです。避暑がてら訪れてもいいかもしれません。


 秋は中山平温泉に東北屈指の紅葉スポットの鳴子峡があるので、これを目当てに訪れるのもいいかもしれません。ただこの時期は観光客で賑わってしまうので、静かに過ごしたい場合は不向きな季節です。自然に囲まれているので春は新緑がきれいですので、この時期も良いと思います。ただ鳴子温泉だと3月でも普通に雪が降るので、イメージよりも春の訪れは遅いです。新緑を楽しもうと思ったら5~6月がおすすめです。

<湯治生活における1日の入浴回数>

 湯治で身体を良くしたいからといって、1日に何回でも入れば良いというものではありません。


 推奨されている入浴回数としては、まず宿に到着した日は1回だけ入浴します。次の日は朝と夜1回ずつの計2回の入浴、3日目は朝1回と午後2回の3回の入浴と1回ずつ入浴回数を増やしていきます。4日目に湯あたりを起こしたり不調部分に痛みが出てきた場合、これは湯治の効果が出てきている証拠です。もし効果が出てきた場合は入浴せず休息に充て、効果が出ていない場合は最大4回まで入浴回数を増やしてみてください。この4日目をピークとして、5日目は3回入浴と数を減らし、6日目に2回入浴、7日目に1回入浴で一回りとなります。


 二週目以降もこのペースで、1→2→3→0→3→2→1と入浴し、最大三週間の湯治を行います。1回当たりの入浴時間に関しては、「正しい入浴法」のページにて説明します。


 もし身体に変化が起こらない場合、もしかしたら温泉が身体に合っていないのかもしれません。幸いにも鳴子温泉には様々な効果の療養泉があるので、効果が感じられない場合は他の宿に変えてみてもいいかもしれません。いや、むしろせっかく色々な温泉があるのですから、途中で宿泊先を変えてみた方が楽しいかもしれません。


 例えば最初に一週間だけ宿泊先を予約して、気に入ればそのまま延長しても良し、気になる宿を湯めぐりの際に試しに入浴してみて、次の宿泊先を決めてみるのも良いかもしれません。そうして色々な温泉に入浴してみることによって、自分の身体に合った温泉、お気に入りの温泉が必ず見つかると思います。


<温泉の入浴回数のサイクル>

一日目・1回の入浴

二日目・2回の入浴

三日目・3回の入浴

四日目・休み(身体に効果が出ない場合、最大4回の入浴)

五日目・3回の入浴

六日目・2回の入浴

七日目・1回の入浴

 ※以降、このサイクルで入浴を行う。


 この入浴サイクルですと1日1回だけでは物足りないとか、折角温泉に来たのに4日目に1回も入らないのは勿体ないとか、そう思ってしまうのもよく分かりますが、そこはグッと我慢です。


 湯治宿に長期滞在して毎日の様に温泉に沢山入っていれば必然的に不調を感じますし、不調を感じるという事は湯治の効果が出ているということです。しかしそこで休まずに、調子が悪いから温泉に入って疲れを取ろうとしてしまいたくなる気持ちは重々理解できますが、それは更に不調を長引かせてしまうばかりか、より一層調子を悪くしてしまってその疲れを取るために入浴・・・と悪循環に陥ってしまうだけです。(以上、体験談)


湯治の目的はあくまで健康になる事です。それなのに入り過ぎることによって体調を崩してしまったら元も子もありません。湯治を行う際は、強い意志で温泉に入らない日を作りましょう。

<湯治生活の自炊について>

 普通の観光旅行の場合ですと、食事は宿泊施設で提供される物を食したり、地元のグルメを食べるという事をしています。もちろん湯治生活でも外食をしても良いですし、追加料金を払って宿から食事を出してもらうのも良いでしょう。しかし長い期間滞在する湯治生活の場合、やはり自炊をするのが一番です。そこでまず自炊をする上で必要な物を紹介していきます。


■調理器具・食器

 調理器具や食器は湯治宿ならば最低限の物は揃っています。ただしあくまで最低限の物だけです。一応当サイトの各旅館の紹介ページでは、置いてある調理器具は一通り記載していますので、それを参考にしてみてください。


 アドバイスとしては、箸やスプーンなどは一応置いてはありますが、使うのに抵抗がある場合、自分の物を持参していった方がいいかもしれません。かさ張りますがサランラップ等もあると便利です。ビニール袋も何枚かあると色々と役に立ちます。


■調味料

 調味料は備え付けられていないので、宿泊日数から大体の必要分を推測して、持参していった方が良いです。参考までに、醤油・塩・砂糖・味噌・こしょう・油・ソース・マヨネーズ・わさび・麺つゆetc、お好みに合わせて必要な物を用意していきましょう。


■食材

 食材に関しては滞在先である程度は購入することが出来ます。鳴子温泉で現在食材を調達出来る場所は以下になります。


●鳴子温泉

  • おじまや(スーパー)
  • 肉の芝崎
  • おばちゃんキッチン工房LINK(弁当・総菜)
  • さとう酒や
  • 八福 狩野食品本店(しそ巻きくるみ揚げ等)
  • 中川食品店(スーパー)
  • 大場精肉店
  • 高勘商店(酒屋)
  • セブンイレブン
  • ローソン
  • たけのプラザ
  • 細谷豆腐店
  • ※駅の近くにあるのは上の6件のみで、いずれも個人商店。

     コンビニ2件は、どちらも駅からかなり離れた所にあるので行きづらい。


    ●東鳴子温泉

  • おみやげの店なるみ
  • 尾形商店(酒屋)
  • 久郷分店(魚屋)
  • 氏家鯉店(鯉料理専門店)
  • 阿部天ぷら屋(鳴子しそ巻き等)
  • 薬王堂(ドラッグストア)
  • 丸菓(八百屋)
  • ファミリーマート2件
  • ※ここもコンビニは駅から離れた所にあるが、薬王堂で色々な物を気軽に調達が可能。

     なるみはお土産屋だが、鳴子温泉ブランド米の『ゆきむすび』が購入可能。


    ●川渡温泉

  • 髙橋食品ストアー(鮮魚店)
  • 高橋酒店
  • 鎌田豆腐店
  • 菅原魚点
  • 遠藤屋嘉吉(豆腐店)
  • 山田商店(しそ巻きのみ)
  • 竹野酒店
  • ※個人商店は充実しているがコンビニの類はなし。本格的な湯治生活をするには良いが上級者向け。


    ●中山平温泉

  • 倉加屋(酒屋)
  • ゆの駅しんとろ
  • ※駅前に個人商店が1件としんとろの湯で地元の食材や『ゆきむすび』を販売。

     湯治宿のあすか旅館からは離れているため、気軽に利用は難しい。


    ●鬼首温泉

  • 大久商店山の幸直売店

  •  以前は鳴子温泉駅の裏側に大きなスーパーがあり、湯治生活を行う上で重宝されていたのですが、建物の老朽化に伴い2015年に閉店。以後、現存しているのは小さい店ばかりになってしまい、長期滞在して湯治生活を行うには正直不便な温泉地となっています。


     中山平温泉にはほとんど店が無いため自炊は難しく、川渡温泉は地元に密着した個人商店ばかりなため、初心者にはハードルが高くなっています。鳴子温泉駅も湯治宿の近くにはあまり店が無く、特に姥の湯旅館周辺はほとんど店が無いため、急な坂を利用して駅前まで買い出しに行くしかありません。東鳴子温泉は駅周辺にほとんど店が無いのは難点ですが、大型のドラッグストアにコンビニがあるため、湯治の初心者向けかも知れません。


     温泉街4駅の買い出し事情は以上の通りですが、おすすめの買い物場所として『川渡温泉駅』の隣り『池月駅』の『あ・ら・伊達な道の駅』があります。『あ・ら・伊達な道の駅』は、全国道の駅ランキングの1位に何度も輝いたことのある人気の施設です。


     ここの「農産物直売所」で地元の新鮮な野菜を始め食材は大体揃えることが出来ますし、「米工房」で地元のお米を買うことも出来ます。コンビニやドラッグストアで手軽にインスタントで済ませるのも良いですが、せっかくだからこういう機会に地産地消をすることこそ湯治生活のだいご味です。

    <湯治生活で持っていくと良いもの>

     基本的に鳴子温泉の湯治宿には、前述した自炊道具と寝具があるくらいです。必要な物をコンビニや100円ショップで購入というのも気軽に出来る環境では無いので、必要そうな物はある程度持参していった方が良いでしょう。それでは湯治生活をするために持っていくと便利な物を紹介します。


    ■アメニティグッズ

     普通の宿泊施設ならばアメニティは部屋に常備されている場合が多いですが、湯治宿の場合は基本的に置いていません。一般客も宿泊する宿ならば、頼めば用意してもらえると思いますが追加料金が発生します。歯ブラシ、洗顔道具、ブラシ、髭剃り、化粧品、化粧水など必要な物は揃えていった方が良いですが、最悪コンビニ、ドラッグストアで調達することは出来ますので、そこまで気を付けなくても良いかもしれません。


    ■入浴道具

     アメニティと同じくタオル、バスタオルも無いため忘れずに持参してください。タオルならば宿で販売しているかもしれませんが、バスタオルは必須です。湯めぐりをする場合、数が必要になるかもしれないので複数枚持参した方が良いと思います。ドライヤーも部屋に備え付けられておらず、脱衣場にも必ずある訳ではなく、宿から借りるにしても追加料金が発生します。


     シャンプー、トリートメント、ボディソープも宿によっては置いてない所がありますし、全ての浴場に置いているとも限らない上に、置いてある浴場が清掃中で洗うことが出来ないというケースもあります。ミニサイズの物でいいので、これらも持参した方が良いかもしれません。


     また鳴子温泉は美肌の湯が多く乾燥肌になりやすいので、保湿クリームやハンドクリームは忘れずに。


    ■衣類

     鳴子温泉は山間部にあるので、真夏の日昼でもそこまで暑くはなりませんが夜は多少冷え込みます。冬は雪が降る可能性が高いので、厚着が必要になります。寒暖差がありますので、すぐに羽織ることが出来るカーディガン等があれば助かります。


     通常の宿での宿泊ならば部屋に置いてある浴衣も当然ありませんので、部屋着、寝間着は忘れずに。湯治宿は生活をする場で、他の宿泊客と顔見知りになるかも知れないので、あまり着古した普段着も避けた方が良いかもしれません。


     長期間滞在するので、下着や靴下なども含めて持っていく衣類は必要最低限に留めておいて、小まめに洗濯をした方が良いでしょう。洗濯機はどこの宿も貸してもらえますが、洗剤まで貸してもらえる事は無いと思った方が良いでしょう。滞在中に何回洗濯するか計算をして、必要分量を持っていきましょう。


     乾燥機も無い所が多く、洗濯物を干すための洗濯バサミやハンガー、物干し竿まで貸してもらえるとは限らないので、場合によってはこれらも必要かもしれません。


     その他、湯治生活をする上で必要な物を思いつく限り記載していきます。


    ■現金

     まず忘れずに必要な物が現金です。キャッシュレスの時代ではありますが、湯治宿のほとんどは残念ながらクレジットカードに対応しておりませんし、買い出しをする際にも現金でしか買い物をすることが出来ない店もあります。バスもSuicaに対応していませんし、電車も鳴子温泉駅以外は無人駅の場合が多いので、車内で切符購入をするケースが多く、その場合は現金の方がスムーズです。また1万円札だとお釣りが無いというケースも多々ありますので、面倒ですがなるべく細かいお金を持っていた方が良いでしょう。


     『鳴子温泉駅』『鳴子御殿湯駅』には、銀行、郵便局、ATMとありますが、『川渡温泉駅』『中山平温泉駅』には郵便局しか無いのでお気をつけください。


    ■保険証

     長期滞在をするとなると突然体調を崩したり怪我をしたりするかもしれないので、コピーでも良いので保険証は忘れずに。


    ■延長コード、電源タップ

     湯治宿はそれほど電源が無いので、延長コードは持参していった方が何かと助かります。


    ■サンダル

     ちょっと外出する時にすぐに履けるサンダルはあると便利です。宿によっては下駄を貸してくれる所もあります。


    ■虫除けスプレー

     鳴子温泉は至る所に自然に囲まれていますし、山や森の中を散策する機会もあるかもしれず、虫に悩まされることが多くなると思います。虫が苦手な人でなくてもあった方が良いかもしれません。

     またあまり人がいない所を散策する際は、熊に遭遇する危険もあります。熊除けの鈴もあると多少安心です。
    ■フキン

     自炊をする際、嫌でも塗れたり汚れたりするので、意外に大事なアイテムです。食器フキンと台フキンと2種類あった方が便利です。


    ■寝具

     湯治宿によっては寝具も有料の所がありますが、幸いにも鳴子温泉では普通に利用することが出来ます。ただし最低限の物しか使うことが出来ないため、冬の寒い時期など足りないかもしれません。追加料金を払えば新たに貸してもらえるとは思いますが、もし車で訪れる場合、自前の布団を持参しても良いかもしれません。電気あんか等もあると助かります。


     色々と書いてきましたが、車で行く場合ならばある程度は余計な物を積んで行くのも良いのですが、電車で行く場合はなるべく最低限の物だけを持って行く方が望ましいです。またここでは湯治生活を行う上で必要だけど、経験が無いと忘れがちな物を記載してきましたので、スマホやカメラやカサに、時間つぶしに必要な本や携帯ゲームの類はあえて記載していません。ちなみに宿によってはテレビの無い所もあるので、暇つぶしグッズは大事です。


     以上を踏まえた上で、湯治生活というものをリアルにシミュレーションしてみて、持っていく物を吟味してください。生活をしていく上でやっぱりあれは必要だったと後で思っても、簡単に調達出来る環境では無いということは忘れずに。最初の内はおそらく持っていったけれど実際には使わなかった物や、持っていけば良かったと思う物が色々とあると思いますが、何度か湯治生活を行っていく内に何が自分にとって必要かは分かってくると思います。


     湯治生活で大事なことは、ある程度の不便さを楽しむということと、必要以上にストイックにならずに気楽に楽しむということです。楽しい湯治生活を送るための参考になれば幸いです。